2014年2月24日月曜日

2014年2月のカセット・レヴュー(随時更新予定)

◎Virgin Blood/Snow
サンクトペテルブルクの太っ腹〈Lava Church〉から。うなじの綺麗な浮女子はポートランド生まれなのかフロリダ生まれなのか。ミニマルなシンセ使いはインダストリアルな意匠も感じさせ、ゾラ・ジーザスが脱ぎ捨てた黒衣の切れっ端を流水の具体音で清めて修道衣をあつらえたような反転も。

◎Warm Climate/Summer Speech Therapy
サン・アロウの〈Sun Ark〉から。M. Geddes Gengrasも名を連ねる濃厚なサイケデリック・ロックだが、突然ディスコ・ビートが飛び出したりするなど展開は奇抜で、昨今のUSアンダーグラウンドを通過したクラウト・ロックやアンビエントの感覚を禍々しく蒸留。テクニカル・アシスタントを務めるGrant CapesはLee NobleやDerek Rogersとも共演するやり手。

◎German Army/Barrineans
「ドイツ軍」というすごいネーミング。検索しても素性は定かではないが、タグからは米西海岸の出身らしい。エレクトロニックに加工された声からは性別もわからないが、トラックもプロダクションも匿名が高く、はて?

◎Threes And Will/Sea Fourth
エストニアの〈Trash Can Dance〉から。アボリジニの伝説からネーミングされたらしいノイズ・ロック。ドローンとジーザス・リザードを撹拌したような瞬間も。〈T&G〉印の硬音。



◎Joane Skyler/orz
作者の近影なのか。UKの〈Reckno〉から、初のフィジカルとなるらしい一本。A面の霊妙なシンセ使いは昨今の女性エレクトロニクス作家のそれを感じさせるが、初期〈Warp〉風情のアブストラクトでアシッディなビート&エディットを嬉々と展開するB面、からの幽玄なアンビエントへと回帰を見せる30分ジャストの円環構造。




2014年1月のカセット・レヴュー)
2013年の熟聴盤(カセット・リリースBEST 30+α))
2012年の熟聴盤(カセット・リリースBEST 30+α))
2011年の熟聴盤(カセット・リリースBEST 30+2))
極私的2010年代考(仮)……“カセット・カルチャー”について)

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